【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2015年9月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック9月号の主な内容】

表紙 オーストラリア・アシュフォードのセント・ジョン・パプテスト教会のステンドグラスに描かれたイエス・キリスト

特集
マタイ受難曲と宗教音楽の魅力

 バッハは2つの受難曲を残した。「ヨハネ受難曲」と「マタイ受難曲」である。(「ヨハネ受難曲」「ルカ受難曲」「マルコ受難曲」は一部しか残っていない)。キリストが磔にされた受難を描いたこれらの作品は、当初こそキリスト教徒のものであったが、今日では音楽の普遍性を表す傑作として世界中で上演される。
 バッハ以前にもたくさんの受難曲が生まれたが、多くは廃れている。音楽評論家の礒山雅氏は「その巨大さ、徹底性、掘り下げなどの点で、バッハの受難曲は突出したものだ、ということである。私見では、受難という出来事と向かい合う真剣さが、バッハにおいて断然高い、と感じられる」と指摘する。
 「マタイ受難曲」はバッハ42歳の1727年、ライプチヒの聖トーマス教会において初演された。2つのオーケストラを要し、上演時間約3時間の大作だ。また美しいアリアの数々が感動的。礒山氏は「『マタイ』のイエスは、人間の苦しみをともに耐え忍ぶのであり、だからこそその遺骸への『安らかにお休みなさい』という呼びかけが、心に響いてくる」と記す。そして、リヒター、ネルソン、レオンハルト、ヤーコプスらが指揮したCDを推薦している。
 宗教曲といえば、モーツァルトの「レクイエム」をはずすわけにはいかない。モーツァルト最後の作品で、注文主の名前が伏せられ、灰色の服を着た男が依頼の手紙を持ってきたという。このためモーツァルトは「死神からの依頼」と思い、死期をさとった、というのは伝説だ。
 モーツァルトは最後まで作曲できずに世を去ったため、弟子のジュスマイアが完成させた。その後も様々な補筆版が生まれている。「この曲が存在することを、神とモーツァルトに感謝せずにはおられない。不朽の傑作であることは否定できないだろう」と音楽評論家の國土潤一氏は書いている。
 特集はこのほかに、◎スターバト・マーテルとは何か◎オラトリオとは何か◎「アヴェ・マリア」の魅力◎グレゴリオ聖歌◎19世紀ロマン派の宗教曲◎ライプチヒ・バッハ音楽祭2015リポート、など。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります


BIGが語る
ユーリ・テミルカーノフ 指揮
 サンクトペテルブルク・フィルを率いて27年のテミルカーノフが、読売日本交響楽団を指揮するために来日した。サンクトペテルブルク・フィルの団員の契約は1年ごと。努力が足りない団員はすぐに契約解除される厳しいシステム。「だからこそオーケストラのレベルが落ちない」という。ただし定年はない。80歳を超えても現役のメンバーがいる。来年5月、手兵を率い、ショスタコーヴィチなどのプログラムで来日公演を行う予定になっている。

チャイコフスキー国際コンクール・ピアノ部門見聞録
 音楽評論家の高久暁氏が6月から7月にかけて開催された第15回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門を聴いてきた。会場はモスクワ音楽院。演奏中に携帯がなり、スマホで写真を撮るなどマナーの悪さに閉口。優勝したロシアのドミトリー・マスレーエフがリストの「狩」を弾くと、審査員のベロフが弾くまねをする。こんなドキュメント・タッチの原稿だ。高久氏は「審査員誰もが押し黙って聴いているようなコンテンスタントはまずだめ。ただ上手に弾けるだけではコンクールを受けにくる必要はない」という。

このほか
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト トロンボーン 中川英二郎
◎マンスリー・ベルリン・フィル
◎中丸美繪の「小澤征爾異聞」
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2015年8月20日(木)発売の2015年10月号は「歴史を彩ったヴィルトゥオーゾたち」を特集します。

お楽しみに~