【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2019年10月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック10月号の主な内容】

表紙 若きブラームスと晩年の姿

特集 ブラームスの魅力

 ブラームスを嫌いな日本人はいないだろう。それは思い切り発散する音楽ではなく、どちらかと言えば暗さを感じる旋律で、長調ではなく短調の作品が多いからだろう。桐朋学園大学教授の西原稔教授は「クラリネット五重奏曲」や「3つの間奏曲」などを例に出し、「少なくとも日本のブラームス愛好者の心を引きつけてやまないのは、このほの暗さにあるのではないだろうか。彼のほの暗さには、人間の弱さと救済への願望が込められており、それが聴く者の琴線にいたく触れるのである」と記す。
 ブラームスは、交響曲は4曲、ピアノ協奏曲は2曲、ヴァイオリン協奏曲は1曲しか作らなかった。しかし、室内楽曲や器楽曲は膨大にあり、声楽曲はさらに多く300曲以上の歌曲や合唱を作曲した。
 ブラームスの慎重な性格は交響曲第1番の創作態度に表れている。着手したのは1854年の21歳のとき。完成したのは21年後。作曲が進まなかったのは当然大先輩、ベートーヴェンの存在ゆえ。屹立する巨匠の交響曲群とどう対峙し、乗り越えていかなければならないかなどについて日々、頭を悩ませた。そのかいはあった。初演は1876年。これを聴いた当時の大指揮者ハンス・フォン・ビューローは「これはベートーヴェンの第10番である」と高く評価した。さらに評論家のエドゥアルト・ハンスリックは「ベートーヴェンの後期の様式に、ここまで肉薄した作曲家はブラームスをおいて他にいないのでは。彼は模倣こそしないが、内面の深い部分から創造された作品は、ベートーヴェンに近接していると感じられる」と賛辞を送った。
 ブラームスには民謡、民族音楽の変奏曲もたくさんある。その興味は日本の音楽にまで及んだ。「日本の旋律」という楽譜集を所有していたことにも明らかである。1887年から90年、第11代大垣藩藩主だった戸田氏共伯爵がオーストリア・ハンガリー兼スイス特命全権大使としてウィーンに赴任していた。夫人の極子(きわこ)は山田流箏曲の名手だった。極子は岩倉具視の娘で、「鹿鳴館の華」と称された女性。実は、ブラームスは極子の弾く「六段の調」を聴いている。その感想や曲の特徴などを「六段」の楽譜に書き込み、極子にわたした。後に、この楽譜は戸田家からウィーン楽友協会に寄贈され保管されている。特集ページには約100年後、「六段の調」を聴くブラームスの姿を描いた守屋多々志の屏風(大垣市守屋多々志美術館所蔵)の写真を掲載している。
 他に、◎交響曲第1~4番◎ピアノ協奏曲第1、2番◎ヴァイオリン協奏曲◎ハンガリー舞曲集◎ブラームスと過去の音楽◎ブラームスの作曲の巧みさ◎ウィーン・フィルとベルリン・フィルのブラームス演奏◎根っからのロマン主義者ブラームス◎ブラームスを得意とする指揮者、ピアニスト、などです。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 森麻季 ソプラノ
 ソプラノの森麻季が9月13日(金)、東京オペラシティコンサートホールでリサイタルを行う。フォーレ、シャルパンティエ、グノー、ビゼーらすべてフランスもののプログラム。「フランス語の微妙で繊細な色合いを出しながら、歌詞として明快に聴かせなくてはならないので本当に難しいですね。私は巻き舌にならないように気をつけています」と話す。リサイタルには「愛と平和の祈りをこめて」というタイトルが付いている。森は東日本大震災の2011年から、思いをこめてシリーズとして開催してきた。

サントリーホール サマーフェスティバルとNHK音楽祭
 毎年恒例の2つの音楽祭を特別ページで取り上げている。サントリーホール サマーフェスティバル2019は8月23日(金)から31日(土)まで開催される現代音楽祭。イギリスの作曲家ジョージ・ベンジャミンのオペラ「リトゥン・オン・スキン」が、大野和士の指揮で日本初演(28、29日)されるのが話題。また、NHK音楽祭2019は10月から11月にかけて開催される。「伝統と革新」をタイトルに、コープマン指揮NHK交響楽団がモーツァルト「レクイエム」などを演奏(10月10日)。ビシュコフ指揮チェコ・フィルは、樫本大進をソリストにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲などを(10月25日)。ネゼ=セガン指揮フィラデルフィア交響楽団はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」などを披露する(11月7日)。

このほか
◎青島広志の新連載「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2019年9月20日(金)発売の2019年11月号は「生誕250年 ベートーヴェン」を特集します

お楽しみに~