【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2019年5月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック5月号の主な内容】

表紙 バッハ、聖トーマス教会、キリスト

特集 音楽の父バッハとマタイ受難曲
 今年の復活祭は、カトリックなど西方教会では4月21日(日)で、1週間前の14日からは受難週(聖週間)になる。この時期に受難曲が演奏される。受難とは、捕縛されたイエス・キリスト十字架に磔にされ、死を遂げたこと。その3日後に蘇り、「復活」した。その日が復活祭。受難曲は古代、中世から存在し、そのテキストとなったのは、新約聖書の中核となるマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネによる「福音書」。福音(良い知らせ)を伝える人が福音史家だ。
 プロテスタントのルター派は特にオラトリオ風受難曲をたくさん生んでいる。プロテスタントのバッハは5つの受難曲を書いたと言われるが、現在残っているのは「マタイ受難曲」と「ヨハネ受難曲」の2つのみ。「マタイ受難曲」は、ライプチヒの聖トーマス教会のカントル(楽長)時代の1727年4月11日に初演された。この曲の大きな特徴は2つの演奏団体を用いること。演奏に約3時間かかる大作だが、オペラ以上に劇的な構成と巧みで魅力的な音楽は長さを感じさせない。
 イエスを「死罪だ」と叫び、つばを吐きかける群衆。「今宵、鶏が鳴くまでに、あなたは3度、『私を知らない』と否定するだろう」とペテロに話すイエス。そして弟子たちは師を見捨てる。「バッハが『マタイ受難曲』を他人事と捉えていなかったことがよく分かる。この曲に登場する群衆も弟子も、結局自分の中に弱さを抱えている自分であり、あなたなのではないか?」とヨーロッパ文化史研究の小宮正安氏は指摘する。
 「マタイ受難曲」はバッハの死後、忘れられていたが、1829年、メンデルスゾーンが、短くした版で復活上演した。メンデルスゾーンはゲヴァントハウス管弦楽団の指揮者に就任した1841年にも再び取り上げた。「この選曲は同楽団での彼の方針を宣言するとともに、バッハゆかりの都市での演奏することに彼は特別の意義を見いだしていた」と西原稔・桐朋学園大教授。
 また、無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ、グールドが2度録音したゴルトベルク変奏曲、平均律クラヴィーア曲集、ブランデンブルク協奏曲など器楽曲、管弦楽曲も特集で取り上げている。
 他に、◎福音史家の役割と名福音史家たち◎メンデルスゾーン版「マタイ受難曲」を指揮する鈴木優人◎世俗カンタータの魅力と名盤◎ワーグナーの「パルジファル」と受難劇◎無伴奏チェロ組曲◎バッハ時代の楽器、などです。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります


宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 藤木大地 カウンターテナー
 2017年、ライマンのオペラ「メデア」のヘロルド役でウィーン国立歌劇場にデビューした。日本人、東洋人のカウンターテナーとして初めて快挙だった。テノールからカウンターテナーに転向したのは30歳のとき。風邪をひき、声が出なくなり、裏声で練習していたら、自分の新たな声、カウンターテナーを“発見”したという。「レパートリーはテノールとまったくかぶりません。もう30歳でしたから、コンクールをすぐに受け始めて、課題曲を学ぶことで、実地でレパートリーを作っていきました」と話す。

東京・春・音楽祭が15周年を迎える
 3月から4月にかけて東京文化会館を中心に東京・上野公園にある文化施設などで行われている東京・春・音楽祭が今年で15周年を迎えた。音楽祭は2005年に「東京のオペラの森」という名称で始まった。この年は小澤指揮、ロバート・カーセン演出によるR.シュトラウス「エレクトラ」が上演された。09年に現在の名称に変更され、東京の春の風物詩となっている。1カ月にわたる音楽祭は、すでに開幕している。これから間に合う演奏会の注目の1つは、4月6日に行われる「マラソン・コンサート」。「宮廷の時代―5つの“響き”」をテーマに、午前11時開演から午後7時開演まで、5つのコンサートが行われる。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。


次号予告
2019年4月20日(土)発売の2019年6月号は「ピアニスト、ヴァイオリニスト、指揮者巨匠、演奏家たちの最後の録音」を特集します

お楽しみに~