【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2017年9月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック9月号の主な内容】

表紙 ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団

特集 一歩先の学び直し 交響曲&指揮者
 交響曲はオペラの序曲から独立して発生した。「序曲の自立が可能になる背景にオーケストラ・コンサートの成立があり、18世紀における経済活動の活発化、啓蒙された市民の台頭がそれを支えたことは言うまでもない」とバッハ研究家の磯山雅氏は記している。18世紀の交響曲の主題カタログには1万6000曲以上も収録されており、今日まで演奏されている作品はほんのわずかしかない。多くの作品は1回切りの演奏で終わっているだろう。
 特集は古典派、ロマン派、20世紀と時代を分けて、「名曲が名曲である訳」を解説している。“交響曲に父”ハイドンは交響曲第94番「驚愕」を取り上げた。「渾身の自作を披露している演奏会なのに、着飾った貴婦人たちが客席できまって居眠りするのに、作曲家は辟易していた。そこで一計を案じ、緩徐楽章を静かに始めて、突然、フォルティッシモの全奏で叩き起こす交響曲を上演した。その策は奏功し、以後、彼の演奏会で居眠りする者はいなくなった」。音楽ジャーナリストの寺西肇氏はこの曲に関する有名なエピソードを紹介している。そして、この逸話は「ハイドンのウィットに富んだ人柄や音楽の特徴を、うまく捉えている」という。
 ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」の演奏の変遷を、桐朋学園大の西原稔教授が追っている。「『英雄』は、第5番とともに指揮者の思想や哲学はとくに前面に出てくる作品である。指揮者の作品との取り組みを知るうえで、この『英雄』ほど格好の作品はないのではないだろうか」と書く。フルトヴェングラーが1952年にウィーン・フィルを指揮した録音は、「雄渾の一言に尽きる」。対してトスカニーニが1939年にNBC交響楽団を指揮した「英雄」は、「感傷的な思い入れを払しょくするかのように爽快」。アバドはベルリン・フィルの伝統を強く意識し、「やや速めにテンポを取り、流動性豊かな『英雄』に仕上げている」。アーノンクールについては「古典奏法や演奏解釈に立ち返った彼の演奏は改めてベートーヴェンとは何かを問いかけた」という。指揮者の数だけ演奏解釈があり、それは時代とともに変わっていく。
 他に、◎モーツァルト:交響曲第25、41番「ジュピター」◎ベートーヴェン:交響曲第5、9番「合唱」◎マーラー:交響曲第6番「悲劇的」◎ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」◎名指揮者再発見 ムラヴィンスキー、バーンスタイン◎交響曲「田園(パストラル)」の「田園」とは何か◎私の交響曲遍歴 佐伯一麦◎交響曲を聴くならこのオーケストラ、などです。


特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 朴葵姫(パク・キュヒ) ギター
 韓国・仁川生まれで、荘村清志や福田進一に師事、日本で活躍する人気ギタリスト、朴葵姫。ソロやタレガ・ギター・カルテットでの活動、オーケストラとの共演も多い。ただ、「オーケストラの楽員の皆さんや指揮者の方に迷惑をかけてはいけないという気持ちが強くなり、とても緊張します。最初のリハーサルで、楽員さんに紹介していただく瞬間まで緊張が続いています」と緊張ぶりを話す。そして、演奏を失敗しないように、「うまくいった日のことを思い出し、できるだけ同じことをしてみます。あのときは何を食べたっけ、事前にどのくらい練習をして、コンサートが始まる何分前には練習を終わらせて」と決まった行動を取ることを説明する。

戦没学生のメッセージ~戦時下の東京音楽学校・東京美術学校
 東京芸術大学は7月30日、「戦没学生のメッセージ~戦時下の東京音楽学校・東京美術学校」と題したシンポジウムとコンサートを東京・上野の同大奏楽堂などで行う。今年、同大が130周年を迎えることをきっかけに、第2次世界大戦で亡くなった学生の作品にスポットを当てようと企画された。
 コンサートで取り上げる戦没学生は4人。歌曲「犬と雲」などが演奏される葛原守さんは、昭和15年4月、東京音楽学校予科に入学。繰り上げ卒業し、20年4月、台湾で戦病死した。鬼頭恭一さんは18年11月、本科作曲部を仮卒業し、学徒出陣。霞ヶ浦航空隊で訓練中に事故により殉職。「アレグレット」、歌曲「雨」などが演奏される。「ピアノソナタ第1番」などを残した草川宏さんは本科作曲部を繰り上げ卒業し研究科に進学。20年6月2日、フィリピン・ルソン島バギオで戦死した。オペラ「白狐」より「こはるの独唱」などが演奏される村野弘二さんは17年に予科に入学、本科作曲部を仮卒業し、学徒出陣。20年8月21日、フィリピン・ルソン島ブンヒヤンで自決した。
 同大演奏芸術センターの大石泰教授は「志半ばで戦地に赴き、命を落とした音楽学生らの作品を、実際の音として蘇らせようというコンサートです。彼らが残した作品は未熟かもしれませんが、その1つ1つが遺言ともいえるもので、強いメッセージを訴えかけてきます」と話す。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2017年8月19日(土)発売の2017年10月号は「クラシックは神童だらけ!」を特集します

お楽しみに~