【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2017年2月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック2月号の主な内容】

表紙 レ・ヴァン・フランセ

特集 名曲名盤 室内楽、カルテットの面白さ

 ハイドンは「交響曲の父」であると同時に「弦楽四重奏曲」の父と言われる。交響曲を約100曲作曲したのも驚くが、室内楽曲の数はこれを大きく上回る。弦楽四重奏は60曲以上、ピアノ三重奏は約40曲、バリトン三重奏曲は120曲以上になる。バリトンはチェロに似た楽器で、ハイドンの雇い主、エステルハージ侯が弾いていたため、ハイドンはご主人のためにせっせと作曲に励んだ。左手の指で弦を押さえ、親指で共鳴弦を弾くなどの演奏や調律が難しく、廃れてしまったが、20世紀の古楽復興に伴い、復元されている。
 ハイドンが「弦楽四重奏の父」と言われた理由を、音楽ジャーナリストの寺西肇氏は「キャリアのごく初期から弦楽器による四重奏曲という形態に着目、生涯を通じて、その可能性を追求し続け、創意工夫をこらすことで、ひとつのプロトタイプを確立。幼いモーツァルトに影響を与え、やがてベートーヴェンの広大な宇宙へと至らしめたのみならず、後進の作曲家の創作意欲に強烈な刺激を与え続けた」と指摘している。
 ハイドンに学んだモーツァルトは「ハイドン弦楽四重奏曲(ハイドン・セット)」を作曲し、ハイドンに献呈した。弦楽四重奏曲第14番から第19番までの6曲で、第17番「狩」、第19番「不協和音」などを含む。1785年1月、ハイドンを自宅に招き、披露、モーツァルトは自らヴィオラを弾いたという。「ハイドン四重奏曲集は傑作ぞろいで、それぞれまったく性格の違うところに、モーツァルトがこの曲種の可能性を多角的に探ろうとしていることがうかがえる」と音楽評論家の寺西基之氏は記している。
 室内楽曲はカルテットばかりではない。表紙のレ・ヴァン・フランセは、今、人気の木管アンサンブル。クラリネットのポール・メイエを中心に結成され、ベルリン・フィルの首席フルート奏者エマニュエル・パユ、オーボエのフランソワ・ルルー、ホルンのラドヴァン・ヴラトコヴィチらヴィルトゥオーゾ集団で、スターがそろっている。編成は作品によりフレキシブルで、ピアノのエリック・ル・サージュが加わることも多い。
 特集は他に、◎初めての室内楽、究極の弦楽四重奏◎往年の名楽団、アルバン・ベルク四重奏団/東京クヮルテット◎ホルンのラデク・バボラク・インタビュー◎世界の国際室内楽コンクール、などを取り上げている。


特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

BIGが語る クシシュトフ・ウルバンスキ 指揮
 来年3月、東芝グランドコンサート2017として、首席客演指揮者を務めるNDRエルプフィルハーモニーと来日する。1982年、ポーランド生まれで、第62回プラハの春国際音楽コンクール指揮部門で優勝した俊英。エルプフィルに初めて客演したのは2000年。15/16年シーズンから、アラン・ギルバートの後任として首席客演指揮者に就任した。「とてもまじめな楽員たちなので、むしろこちらが刺激を受けます。多くのことを教えられます。休憩になると指揮台まできて、解釈の理由などを質問してくるのです。会話をしているうちにこちらもインスパイアされる」などとオーケストラとの関係を話した。

宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 郷古廉 ヴァイオリン
 ウィーンに留学中の若手ヴァイオリニスト。来年1月17日(火)にHakuju Hallでリサイタルを行う。バルトークのヴァイオリン・ソナタ第1番と第2番の2曲を1時間で弾くという“通”好みのプログラム。ヴァイオリン・ソナタ第2番はCDで録音している。郷古は「2曲のソナタは同じ指揮に書かれているのに、まったく性格が違うというのも面白い。取り組みがいがあるので、ずっと引き続けていきたい」と話す。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2017年1月20日(金)発売の2017年3月号は「美しい旋律を紡ぎ出すメロディー・メーカーたち」を特集します

お楽しみに~