【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2016年9月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック9月号の主な内容】

表紙 「アルプス越えのナポレオン」(ジャック=ルイ・ダヴィッド作、マルメゾン城美術館蔵)

特集 革命・戦争が生んだ名曲
 クラシック音楽の名曲は、革命や戦争が契機となって生まれた例が多く見られる。よく知られている逸話は、ベートーヴェンの交響曲第3番「英雄」にまつわるもの。ナポレオン・ボナパルトはフランス革命で反革命を企てる王党派を鎮圧して権力を掌握、1804年、自ら皇帝を名乗った。ベートーヴェンはハプスブルク家の王制のウィーンにあって、ひそかにフランス革命を支持した共和主義者だった。ナポレオンの出現に喜び、交響曲第3番の自筆譜に「ボナパルトに献呈された交響曲」という献辞をいったんは書いたが、ナポレオンが皇帝になったことを知るや、「ボナパルトに献呈」という文字を自ら消した。もちろん交響曲第3番「英雄」は、ナポレオンの行動を描写した音楽ではないが、こうしたベートーヴェンの思いと時代背景があって作曲された。
 チャイコフスキーの序曲「1812年」もナポレオンに関係している。1812年のナポレオンのロシア侵攻が題材となっている。60万人もの大軍がロシアの反攻にあい、ほとんどの将兵を失い、退却を余儀なくされた祖国戦争。冒頭はロシア聖歌、そしてフランス国家「ラ・マルセイエーズ」が引用され、ロシアの民族舞曲風のメロディーが流れ、実際に大砲の音が使われる。「図式的だが、ロシア人の心の底に眠る民族意識を煽る音楽になっている所がチャイコフスキーの真骨頂といえる」(評論家のマリーナ・チュルチェワ氏)。
 ドイツのナチス政権は600万人ものユダヤ人を強制収容所などで虐殺した。このホロコーストの犠牲になった音楽家は多い。チェコの作曲家、シュルホフやハースは強制収容所で亡くなり、ハンガリーの作曲家ジェルジ・リゲティとチェコの指揮者カレル・アンチェルは家族を失っている。ナチスはユダヤ人の作品や前衛音楽、ジャズなどを「退廃芸術」と称し、演奏を禁じ、メンデルスゾーンやシェーンベルク、ヒンデミットらは演奏できなくなった。そして、ナチス・ドイツから逃げたクロイツァーやローゼンシュトック、グルリットらは日本に住み、日本の音楽界を大きく成長させた恩人である。
 特集は他に、◎「ラデツキー行進曲」とハプスブルク帝国◎フランス革命とソナタ形式◎ヴィトゲンシュタインとラヴェル「左手のためのピアノ協奏曲」◎オスマン・トルコの脅威とトルコ行進曲、などを取り上げている。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

BIGが語る 荘村清志 ギター
 1969年のデビュー以来、日本のギター界を牽引し続けてきた。Hakujuホールで毎年8月、福田進一と行っている「ギター・フェスタ」は今年10周年を迎える。第1回目は、武満徹特集。開催前は集客を心配する声があがったが、ふたを開けてみれば3日間とも完売になった。この年は武満没後10周年。今年はちょうど20周年にあたり、再び武満特集の「ギター・フェスタ」が開催される。ギター・ソロすべての曲、ソングス、映画音楽などで構成されている。「このフェスタでは、武満さんを知っていて理解している人間が、新しい人に伝えていくことができるのだと思います」と荘村は話している。

特別企画 サントリーサマーフェスティバル2016
 毎夏恒例のサントリーサマーフェスティバル2016が8月22日から30日まで開催される。佐藤紀雄と板倉康明の2人をプロデューサーに立てた「ザ・プロデューサー・シリーズ」が、それぞれの企画で2日ずつ行われる。佐藤はアンアンブル・ノマドの、板倉は東京シンフォニエッタの音楽監督で、両者とも現代の音楽シーンの最前線で活躍している。佐藤は「単独者たちの王国」、板倉は「耳の愉しみ」と題し、それぞれブルーローズ(小ホール)と大ホールで、編成の異なる作品が並ぶ。佐藤の演奏会はバスケス、ボディ、武満、トーキーらの作品、板倉のはメシアン、マントヴァーニ、リンドベルイらが披露される。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 神尾真由子 ヴァイオリン
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2016年8月20日(土)発売の2016年10月号は「続クラシック音楽世界遺産」を特集します。

お楽しみに~