【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2016年7月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック7月号の主な内容】

表紙 サントリーホール

特集
サントリーホール30周年 オーケストラと世界のホール
 サントリーホールは、東京で初めてのクラシック・コンサート専用ホールとして1986年に開館した。こけら落としは10月12日、サヴァリッシュ指揮NHK交響楽団の演奏によるベートーヴェン「第九」だった。サントリーホールの形式は、ステージを客席が、ブドウ畑が段々状に連なって囲んでいるようなヴィンヤード型。ちなみにステージが端にあり長方形の箱のようなホールはシューボックス型という。なぜヴィンヤード型になったのか。それはカラヤンのアドヴァイスの影響が大きい。ベルリン・フィルが本拠としているベルリンのフィルハーモニーも同じヴィンヤード型なのだ。当時、サントリー社長だった佐治敬三氏はヨーロッパ各地のホールを視察するためベルリンを訪れた。サントリーホール・エグゼクティブ・プロデューサーによると、カラヤンは佐治氏に「良い音楽を聴こうと思えば、今では再生装置が良くなってきているから家ででも聴くことができる。しかし、聴衆がわざわざコンサート会場に足を運ぶということは、そこでしか聴けないものを体験しにくるのです。だから私は、オーケストラを真ん中に置いて、聴衆と一体となって音楽をしようと思ったのです」とヴィンヤード型が現代のコンサート会場にいかにふさわしいかを説明した。佐治は膝をポンと叩いて「ああ、なるほど、ほな、そうしましょ」と答えたという。真鍋氏は、「カラヤン新企画」の中で経緯を綴っている。
 サントリーホールは現在、7つのオーケストラが定期演奏会を開いている。オーケストラとホールの関係は切っても切れない。ウィーン・フィルの本拠地はムジークフェライン(楽友協会)。別名「黄金のホール」と呼ばれるこのシューボックス型のホールは1870年に竣工した。ウィーン・フィルはウィーン宮廷歌劇場管弦楽団に所属する団員たちが、自主的にオーケストラ・コンサートを開くために1842年に創設された。ヨーロッパ文化史研究の小宮正安氏は「ブラームスによせブルックナーにせよマーラーにせよ、彼らは楽友協会でウィーン・フィルが演奏する響きを想定して交響曲や管弦楽曲を書いている。そんな彼らの曲を主要レーパートリーとしてゆく限り、ウィーン・フィルは唯一無二のオーケストラであり続ける」と記す。
 他にも、ベルリン・フィルとベルリン・フィルハーモニー、コンセルトヘボウとロイヤル・コンセルトヘボウ管、ゲヴァントハウスとライプチヒ・ゲヴァントハウス管、ボストン・シンフォーとボストン交響楽団など、世界の名ホールと一流オーケストラの関係を特集している。
特集は他に、◎ロームシアター京都とローム ミュージック フェスティバル◎パリの新コンサートホール攻勢◎ドイツの抱えるホール問題◎ニューヨークの誇り高き2つのホール◎イギリスのコンサートホール◎関西のホールとオーケストラ◎東京文化会館と東京都交響楽団、などを取り上げている。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

BIGが語る 徳永二男 ヴァイオリン
 1966年、まだ桐朋学園に通っていた19歳の徳永二男は当時最年少で、東京交響楽団のコンサートマスターに就任した。以来、今年で楽壇生活50周年を迎える。76年にNHK交響楽団のコンサートマスターになり、94年に退団。96年から宮崎国際音楽祭総合プロデューサーを務め、現在は音楽監督になっている。今年、70歳になるが、いまも精進し続けている。自分より若い音楽家から学ぶことが多いと話す。「三浦文彰君は私の弟子ですが、今の私の目標なのです。文彰から教わることもあります」と謙虚な姿勢を崩さない。


特別企画 日本音楽財団ストラディヴァリウス・コンサート
 ヴァイオリンの名器ストラディヴァリウスを世界中の優れた演奏家に貸与している日本音楽財団。9月に楽器貸与者13人が集い、ストラディヴァリウス・コンサート2016を開催する。そのうちの1人、1736年製の「ムンツ」を使っている有希・マヌエラ・ヤンケは「ストラディヴァリウスは一筋縄ではいきません。人間味があるのです。簡単には相手に染まらない女性、ディーヴァ(女神)のように思えます」と楽器の魅力を語る。コンサートは9月6、12、13日にそれぞれ、大坂・フェスティバルホール、福岡・アクロス福岡、東京・サントリーホールで行われる。

このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 上野通明 チェロ
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2016年6月20日(月)発売の2016年8月号は「日本人音楽家の実力」を特集します。


お楽しみに~