【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2018年9月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック9月号の主な内容】

表紙 ブロムシュテット、ムーティ、ヤンソンス、ハイティンク

特集 マエストロ 巨匠指揮者の魅力

 カリスマ、巨匠指揮者と聞いて誰を思い浮かべるだろう。古くはトスカニーニ、フルトヴェングラーだろうか。その上にはマーラーやニキシュがいた。トスカニーニたちの下の世代ではカラヤンやムラヴィンスキーだろうか。日本には朝比奈隆がいた。では、現役の指揮者では誰だろうか。年齢順であげると、91歳のブロムシュテットを筆頭に、ハイティンク、フェドセーエフ、小澤と続く。近年は平均寿命が伸び、80代でもバリバリ現役の指揮者が増えた。
 マーラーは作品に容赦なく手を加えた。が、トスカニーニやフルトヴェングラーは「作品の脚色よりも、作品への忠実さを重んじ、作品の優れた解釈を目指し、作品と真摯に対峙した」と西原稔・桐朋学園大教授。しかし、トスカニーニは「独裁者」だった。作品に忠実な演奏を目指しオーケストラを厳しく統率し、ミラノ・スカラ座を改革した。芸術の「独裁者」だけではない。ファシズムの時代に生きたトスカニーニは、イタリア・ファシスト党の党歌の指揮を拒否し、ナチスと関係を深めたバイロイト音楽祭やザルツブルク音楽祭の演奏を拒否し、アメリカに渡った。特別な時代の指揮者だった。
 「トスカニーニや20世紀の名指揮者たちの録音はもはや再現しえない歴史的解釈の記録である。それらの演奏は今後の指揮者たちの演奏に確かな参照点を与え続けてゆくのだ」と音楽評論家の高久暁氏。
 編集作業中の6月16日、ロシアの巨匠ゲンナジー・ロジェストヴェンスキーが亡くなった。87歳だった。1979年に読売日本交響楽団と初共演し、名誉指揮者を務めており、日本でもおなじみの指揮者。「スターリンからプーチンに至るソ連現代史とともに歩んだ証人だった」とマリーナ・チュルチェワ氏は記している。また一人、巨匠が亡くなった。
 これからも巨匠指揮者は生まれ続けるだろう。次代の巨匠としてラトル、ゲルギエフ、テォーレマン、サロネン、ウェルザー=メストらを紹介している。
 他に、◎ヴァント、ベーム、カラヤンと日本の聴衆◎巨匠はなぜテンポが遅くなるのか◎バレンボイム、メータ、ヤノフスキ、インバル◎伝説の巨匠、ワルターモントゥー、アーノンクール◎古楽の巨匠指揮者、などです。


特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

BIGが語る リッカルド・ムーティ 指揮
 イタリアの巨匠、リッカルド・ムーティは今年の第30回高松宮殿下記念世界文化賞音楽部門を受賞した。受賞に合わせて行われたインタビューを3回に分けて掲載する。今月は、生い立ちから。ムーティの父親は医者だったが、子供たちに音楽を親しませた。「父は息子たち全員に楽器を習うことを義務づけていました。それは音楽家に育てようという意思ではありませんでした。音楽をもって美を学ばせようとしたのです。社会の中で美を求めなければ澱んでしまうという考えです。芸術は人を優しくするという考えです」と話した。

宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 小川典子 ピアノ
 第10回浜松国際ピアノコンクールが11月に開催される。小川典子は審査委員長を務めている。自身はイギリスのリーズ国際ピアノコンクール入賞を足がかりに音楽の世界に羽ばたいた。「360名の応募があり(DVD審査で)96名に絞ったのですが、全員素晴らしいです。ですから今年の浜松は、かなり高いレヴェルでの審査になるでしょう。すでに注目されているピアニストも受けていますし、浜松からプロとして羽ばたくピアニストもたくさんいるはず。私も11月まで気を引き締めていかないと」と話す。


このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2018年8月20日(月)発売の2018年10月号は「ピアノ・ソナタを書いた作曲家」を特集します

お楽しみに~

【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2018年8月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック8月号の主な内容】

表紙 モーツァルト一家 左から父レオポルト、ヴォルフガング、姉ナンネル
ルイ・カロジス・カルモンテル画、コンデ美術館蔵

特集 旅するモーツァルト!

 モーツァルトは35年の短い人生の中で、3720日、10年以上を旅の空で過ごした。1756年にザルツブルクで生まれたモーツァルトは、人生も音楽も旅から学んだと言えるだろう。6歳にしてウィーンに赴き、マリア・テレジア女帝に謁見し演奏を披露する。翌年から、3年半にも及ぶ期間、ヨーロッパ中を旅して歩く。ドイツ各地はもちろん、ベルギー、オランダ、スイスなどと歩き、フランスでは国王ルイ15世と王妃の御前で、ロンドンでも国王ジョージ3世と王妃の御前で演奏した。
 1769年、父レオポルトと一緒にイタリア各地を旅した。ヴェローナ、ミラノ。ボローニャ、フィレンツェ、ナポリなど、旅程は1年3カ月以上にわたった。このときに残されたのが「ミゼレーレ伝説」。ローマのシスティーナ礼拝堂でアレグリ作曲の合唱曲「ミゼレーレ」を聴いた。4声の合唱と5声の合唱が歌い交わすこの曲は、1年に3日しか聴けない秘曲。14歳のモーツァルトは、一度耳にしただけで、宿で楽譜に書き起こした。後日、もう一度聴き、楽譜の誤りを正した。一音一音聴き取って書いたのではなく、アレグリが作曲したルネサンスのスタイルを推測して聴き取った。「克明に聴くのではなく、推し量りつつ聴く、その推量がかぎりなく実態に近い。これがこのエピソードにみる、モーツァルトの天才性の芯だ」と音楽評論家の澤谷夏樹氏。
 ウィーンに定住したモーツァルトの人生最後の旅はプラハ。オペラ・ブッファ「フィガロの結婚」がプラハで大成功を収め、次作の依頼を受ける。それが「コジ・ファン・トゥッテ」。亡くなる3カ月前、1791年8月から9月にかけて3度目のプラハ訪問、「皇帝ティートの慈悲」を初演している。
 「モーツァルトは諸都市をめぐる旅馬車の中で、世に満ちる音楽を受容しつつ、それらの作品とはまったく異なる彼ならではの独自性を追求していたのである」と西原稔・桐朋学園大学教授はいう。 
 他に、◎モーツァルトにとって「旅」とは何だったのか◎モーツァルトが生まれたザルツブルク、定住したウィーン◎サリエリの生涯とモーツァルト◎妻コンスタンツェ◎名曲名盤◎現代のモーツァルト演奏家、などです。


特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

BIGが語る ウェルナー・ヒンク ヴァイオリン
 ウィーン・フィルの元コンサートマスターで、ウィーン弦楽四重奏団のリーダーなどを務める。ウィーンの音楽一家に生まれ、まさにウィーンの音楽伝統を体現する存在。ウィーンの伝統として「踊るための音楽」と「緩さ」をあげる。ワルツで2拍目が遅れる理由を、「みんなで踊る夕べが盛り上がって長く続いて、ずっと演奏している第2ヴァイオリンやヴィオラが、弓を動かすのに疲れてしまって、2拍子目がずり下がって演奏するようになったのではないでしょうか。それがウィーンらしさになっています」と話す。

宮本文昭の気軽に話そう ゲスト ジャー・パンファン 二胡
 中国出身の二胡奏者。1988年に来日して世界的に活躍している。二胡との出合いはラジオだったと振り返る。「小学2年生の頃からは中国が文化大革命の時代に入り、国外の音楽や文化は入ってこなくなったのです。一方で二胡や箏、琵琶、笛といった楽器は奨励されました。街の楽器屋さんでも手軽に買えましたから、演奏する人が格段に増えました。今でも大都市には必ず伝統的な民族楽器だけのオーケストラが活動しています」と中国の状況を話した。


このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2018年7月20日(金)発売の2018年9月号は「マエストロの肖像 現代の巨匠指揮者」を特集します

お楽しみに~

【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2018年7月号が発売になりました
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【モーストリー・クラシック7月号の主な内容】

表紙 ドビュッシーとパリの街並

特集 ドビュッシー没後100年 芸術の都パリ

 ドビュッシーは1862年6月22日、パリ北西約15キロのサン・ジェルマン・アン・レに生まれた。決して裕福な暮らしではなく、子供時代の思い出を話すことはほとんどなかったという。ピアノを習ってわずか1年で、パリ国立高等音楽院に合格する。食べるためにいろいろなアルバイトをしたが、中でも18歳のとき、ロシアの大富豪フォン・メック夫人のピアニストとして雇われた。メック夫人はチャイコフスキーの大パトロンでもあった。この年は、夫人のヴァカンス旅行に帯同。チャイコフスキーの「白鳥の湖」を2台ピアノ用に編曲している。
 1898年、マヌカンとして働くロザリー・テクシエと同棲し、翌年結婚。しかし、1904年、裕福な銀行家の妻エンマ・バルダックと駆け落ちする。エンマとの間に生まれた子供がシュウシュウ。ドビュッシーはとてもかわいがり、「子供の領分」が捧げられている。亡くなったのは1918年3月25日。娘も翌年に13歳で亡くなっている。特集ではドビュッシーが残した管弦楽曲「牧神の午後への前奏曲」、「海」、オペラ「ペレアスとメリザンド」、ピアノ曲「前奏曲集」、「映像」などについて名盤とともに解説している。
 ドビュッシーが生きた時代、19世紀から20世紀にかけてのパリは、近代化の槌音が響き、急速に発展していった。パリの人口は19世紀初めには55万人ほどだったが、19世紀半ばには110万人になっている。そして音楽だけでなく、ピカソら世界の芸術家を引き寄せ芸術の都となった。
 パリの発展の証が1865年を皮切りに、67年、78年、89年、1900年と開催されたパリ万博。78年の万博ではトロカデロ宮が、エッフェル塔は89年の万博を契機に建てられた。ドビュッシーに大きな影響を与えたのは89年の万博。各国の展示を見た人々は異国のエキゾチシズムに魅了された。ドビュッシーもジャワのガムラン音楽を聴き、影響を受けた。ジャポニズムにも関心を抱き、「海」の楽譜には北斎の「神奈川沖浪裏」が使われている。
 他に、◎19世紀フランス歌曲の魅力◎パリ・オペラ座の栄光の歴史◎オペラ座に憧れた外国人作曲家◎ラヴェルの生涯と作品◎パリのサロン文化◎パリで活躍した指揮者◎フランスとロシア、などです。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

マンスリー・ベルリン・フィル
 昨秋、来日公演を行ったベルリン・フィルのライブを収録した「アジア・ツアー2017~ライブ・フロム・サントリーホール」が発売された。ラトルの首席指揮者としては最後の来日となり、ベルリン・フィルはアジア・ツアーとして東京以外、香港、武漢、ソウルで公演した。このCDセットは5枚のSACDハイブリッドと1枚のブルーレイからなり、CDには東京公演のライブ、ブルーレイはその他3都市の映像が収められている。曲はR.シュトラウス「ドン・ファン」、バルトーク「ピアノ協奏曲第2番」、ブラームス「交響曲第4番」など。ベルリンからスタッフが来日して録音しており、「サントリーホールでの公演であれば、これまでの経験から、ツアー中のベストとなる目算があった」とベルリン・フィル・レコーディングスのローベルト・ツィンマーマン氏は話した。


宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 道口瑞之 劇団四季
 劇団四季には、母音法、呼吸法、折れ法という独自のメソッドがある。「折れ法」は心の変化を「折れる」という言葉で表現する。「台詞とは別に、たとえば『強い光が差し込んでくる』といったようなできるだけ具体的な言葉によるヒントですね。演じているときには、感情や意識が変化するポイントがあるはずです。そこが『折れ』になります」と説明する。


このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2018年6月20日(水)発売の2018年8月号は「モーツァルトを旅する」を特集します

お楽しみに~

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