【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2018年4月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック4月号の主な内容】

表紙 ワルター、クルレンツィス、グールド、ロンドー

特集 伝統、正統性とは 演奏スタイルの変遷
  果たして演奏スタイル、演奏法に伝統的な演奏や正統的なスタイルといったものがあるのだろうか。また、ドイツ的、フランス的な演奏といわれるが、それはどういったものなのだろうか。これらの疑問を解決するために組んだ特集。
 桐朋学園大学の西原稔教授は「録音で聴く往年の演奏は味がある。しかし、左右の手の拍の音をずらした演奏やポルタメント、自由なテンポ・ルバートは、20世紀後半に入ると古色蒼然とした過去の演奏スタイルとして忌み嫌われた。だがこの往年の演奏は誤りなのであろうか。むしろ、拍を合わせるのではなく、拍をずらすのはバロック時代以来のもっとも正統的な演奏法であり、一糸乱れぬ拍通りの演奏は20世紀まで存在しなかった」と指摘する。
 19世紀、20世紀前半まではロマンティックな演奏で、演奏家は勝手に楽譜を変更して演奏していた。その反動として楽譜に忠実にノイエ・ザッハリヒカイト(新即物主義)な演奏が生まれた。演奏家の時代でもあった20世紀は、トスカニーニ、フルトヴェングラー、カラヤン、バーンスタインらスター指揮者が聴衆を魅了した。
 カラヤンに師事した東京シティ・フィル常任指揮者などを務める高関健は「トスカニーニとフルトヴェングラー、そしてカラヤンはそれぞれそんなに遠いところにはいないのです。実は彼らの基本に、とてもオーソドックスな誰にも文句を言わせない演奏法があるのです。これは新即物主義と共通する部分がありますが、このスタイルで弾かれた演奏を聴いてもあまり面白くないし、個性を感じられません。それに比べると、トスカニーニなど一流の演奏家はもっと違うところで勝負をしています。いい演奏というのは逸脱しており、飛び出しているところがあるのです」と話す。
 演奏家は子供のころから楽譜通りに演奏する訓練を積み重ねる。しかし楽譜に忠実に演奏することが正しいのだろうか。指揮者でもあったマーラーやワーグナーがシューマンやベートーヴェンの楽譜に手を入れている。作曲家の吉松隆は「自分の曲を演奏してもらうとき、おそらく演奏家に一番よく言うのが『楽譜通り弾かないで(弾こうと思わないで)下さい!』というセリフだ。勿論それは、楽譜を無視して弾いていいという意味ではない。楽譜に書いてある音を『正確に均質に安全に弾く』ということにこだわらず、楽譜の向こうにある『音楽』を感じ、それを優先して欲しい。楽譜はそのためのガイドに過ぎない、という意味だ」という。
 21世紀の演奏は多様化している。古楽の発展の影響も大きい。古楽の演奏方をモダン楽器のオーケストラが取り入れることは普通になった。音楽ジャーナリストの寺西肇氏は「作品の時代に特有の語法を踏まえるのは常識に。かたや、古楽の世界で声高に叫ばれた『オーセンティシティ(正統性)』という言葉を、耳にする機会は激減した。垣根は取り払われつつある」とする。
 20世紀から活躍するアファナシエフやポゴレリチ、ギリシャ出身の指揮者クルレンツィス、モルドヴァのヴァイオリニスト、コパチンスカヤ、ピアノのタローやブニアティシヴィリ、チェンバロのロンドーら異能の活躍が21世紀の演奏スタイルをさらに変化させていくに違いない。
 他に、◎トスカニーニ、フルトヴェングラーからカラヤンへ◎ウィーン・フィルの伝統と演奏の変遷◎ショパンの演奏スタイルの変遷◎フランス的な演奏とは何か◎オーケストラの楽器配置の変遷◎国際コンクールと演奏の正統性をめぐって、などです。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

BIGが語る エリーザベト・レオンスカヤ ピアノ
 ピアノの巨匠エリーザベト・レオンスカヤが4月、東京・春・音楽祭2018で、6夜にわたるシューベルト・チクルスを行う。完成した楽章を持たない第8番、第10番、第12番以外のすべてのソナタを演奏する。レオンスカヤはジョージア出身でモスクワ音楽院に進み、リヒテルの薫陶を受けた。1978年にウィーンに移住。世界の名門オーケストラと共演を重ねてきた。シューベルト・チクルスは2016年、ウィーンで行い、絶賛された。「取り組めば取り組むほど、その先に行きたいという気持ちが湧いてくる作曲家。今の私にとってそれがシューベルトなのです。なぜならシューベルトの作品は本当に多彩で、音楽的、哲学的、文学的な創意にあふれています」と話した。

宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 安倍圭子 マリンバ
 3月22日に傘寿(80歳)記念の演奏会が開かれる日本を代表するマリンバ奏者の安倍圭子。出演した世界のフェスティバルは60カ所以上、マスタークラスで指導した音楽大学は115校、世界初演した作品は290曲以上など驚異的な記録の持ち主。マリンバのパイオニアとして音楽シーンを開拓してきた。「クラシック音楽の世界で認めてもらえない時期が続きました。第1回目の新作リサイタルやレコードも文化庁(文部省)の芸術祭に応募しましたが、最初は『マリンバは大衆芸能の楽器だから』と断られました。『こんなに素晴らしい現代音楽の作曲家たちが曲を書いていますから』と訴えかけて、ようやく受け入れてもらったほどです」と当時の苦労を話している。


このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2018年3月20日(火)発売の2018年5月号は「ブラームスを聴き直す」を特集します

お楽しみに~

【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2018年3月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読みができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック3月号の主な内容】

表紙 モーツァルト、シュトラウス2世、ドヴォルザーク、クライスラー

特集 クラシック小品の楽しみ
 クラシックの小品と聞いて、どのような作品を思い浮かべるだろう。バッハ「G線上のアリア」や「羊は安らかに草を食み」、モーツァルト「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」や「グラン・パルティータ」、シュトラウス・ファミリーのワルツやポルカ、ドヴォルザークの「スラヴ舞曲」や「ユーモレスク」など両手ではとても足らない。
 “ピアノの詩人”ショパンの作品は、ほとんどが小品だ。「別れの曲」「雨だれ」「小犬のワルツ」など多くの傑作がピアニストのレパートリーになっている。ヴァイオリニストで考えると、ウィーンのクライスラーだろう。クライスラーは、はじめ過去の作曲家の名前などで作品を発表したが、後にいずれも自作だと打ち明けている。自分が演奏するために書いた「ウィーン奇想曲」「中国の太鼓」「愛の喜び」「愛の悲しみ」「美しきロスマリン」などなど。1回聴けば、すぐさま虜になってしまう魅力的なメロディーばかりだ。
 少し年配の読者は、アメリカのルロイ・アンダーソンになじみがあるはず。小学校の運動会、給食の時間などさまざまな行事で流された、「そりすべり」「トランペット吹きの休日」「シンコペイテッド・クロック」などがある。
 日本語の歌詞を付け歌われた曲も多い。ドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」の第2楽章の旋律は、「家路」と題された。何人もの詩人たちが歌詞をつけたが、堀内敬三の「遠き山に陽は落ちて」が最も知られている。ちなみに宮澤賢治も作詞している。
 クラシックがもっとも使われるスポーツといえばフィギュアスケート。プッチーニのオペラ「トゥーランドット」より「誰も寝てはならぬ」、「蝶々夫人」より「ある晴れた日に」やレオンカヴァッロ「道化師」より「衣装をつけろ」などは、新川静香、宇野昌磨や高橋大輔らフィギュア選手が使用することで一般にも知られるようになった。
 LP時代からクラシックを聴き続けてきたなら、小品集のアルバムを持っている人も多いだろう。CDは70,80分収録できるが、LPは片面で約20分、SPに至っては約5分しかない。CDならマーラーの交響曲のような大曲もやすやすと録音できるが、LPはそうはいかない。LP時代は小品集がたくさん発売されたが、CD時代になって減っていった。録音メディアの変遷が、小品のはやり廃りに影響している。
 ところで、バッハには管弦楽作品を鍵盤楽器1台で弾けるようにした作品がある。自作だけでなくヴィヴァルディの「調和の霊感」やマルチェッロのオーボエ協奏曲などがある。こうした編曲を音楽評論家の澤谷夏樹氏は「楽団を呼ばずに鍵盤楽器だけでこうした人気曲を気軽に楽しむ。それは、現代人がくつろいだ気分でオーディオを聴くことと軌を一にする」と記した。
 他に、◎小品集はなぜ書かれたのか◎ワーグナーの序曲・前奏曲◎ブラームスのオーケストラ小品の魅力◎オペラのアリアや合唱の名曲◎シューベルトの名歌曲◎名指揮者で小品を聴く、などです。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

BIGが語る ヘルベルト・ブロムシュテット 指揮
 昨年90歳を超えたマエストロは、今もかくしゃくとしている。昨年11月、名誉指揮者を務めるライプチヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と来日、見事な演奏を聴かせた。ブロムシュテットはスウェーデン人。ストックホルムなどで学び、バーンスタインにも師事した。ドレスデン・シュターツカペレ、サンフランシスコ交響楽団、北ドイツ放送響などのシェフを務めた。NHK交響楽団にもたびたび来演、名誉指揮者を務めている。
 健康の秘訣を問われ、「健康の秘訣はありません。健康は神様からの贈り物です。音楽家はたくさん勉強しなければなりませんから、休みなしでハードワークを続ける人が多いのです。自分の体を大切に扱い、やりすぎないことです」と語っている。

宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 金子三勇士 ピアノ
 ハンガリー人の母と日本人の父の間に生まれ、2つの祖国を持つピアニスト。6歳で単身ハンガリーに渡り、バルトーク音楽小学校、リスト音楽院大学などで勉強した。子供の頃住んでいたハンガリーの山奥の別荘地にはトロッコ列車が走っていた。何度も乗りに行ったら、運転士さんたちにかわいがられるようになった。なんと14歳のときにはディーゼル車の運転免許を取得。休日には趣味とアルバイトを予てトロッコ列車を運転していた、という驚くべきエピソードを語っている。本題のコンサートは、ハンガリー時代の同級生だったクラリネットのコハーン・イシュトヴァーンと日本で再会。これも奇縁。2月3日に東京文化会館で演奏会が行われる。


このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2018年2月20日(火)発売の2018年4月号は「演奏の今昔 正統的な演奏とは?」を特集します

お楽しみに~

【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2018年2月号が発売になりました
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【モーストリー・クラシック2月号の主な内容】

表紙 バッハ、ヘンデル、ヴィヴァルディ、モンテヴェルディ

特集 バッハとバロック音楽
 2017年はルターの宗教改革から500年の記念の年だった。バッハが生まれたアイゼナッハは、ルターが新訳聖書をドイツ語に訳したヴァルトブルク城の城下町。それゆえバッハ一族は、ルター派の音楽家として活躍した。「バッハの音楽の最も重要な土台はルター派の賛美歌である。賛美歌の旋律はオルガンのためのコラール前奏曲やコラール変奏曲、さらに教会カンタータに取り入れられ、この時代のプロテスタント、ルター派の音楽文化を形成した」(西原稔・桐朋学園大教授)。
 バッハは1723年、38歳のとき、ライプチヒの聖トーマス教会のカントール(楽長)に就任した。バッハの日常は、賛美歌のオルガンでの伴奏、合唱団の指揮、教会付属学校の教師などとても忙しかった。「日曜日の礼拝が終わるとその夜から次週上演するカンタータの作曲に取りかかり、作曲を終えるとパートごとに写譜をし、練習、リハーサル、本番と積み上げる。(トーマス学校の)学生の3分の1は寄宿生だったので、週に4日の音楽の稽古に加えて、生活面の指導もしなければならなかった」(音楽評論家の加藤浩子氏)
 多忙な日常の中から、「マタイ受難曲」や「ヨハネ受難曲」、「ブランデンブルク管弦楽曲」、「平均律クラヴィーア曲集」、「無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」など傑作の数々が生まれた。
 ドイツ・バロックの作曲家で、バッハと同じ1685年、ドイツ・ハレに生まれたヘンデルは、バッハとは大きく異なる道を歩んだ。イギリスに渡り、オペラ作曲家として有名になり、オペラが飽きられてくるとオラトリオで人気を博した。「ハレルヤ・コーラス」で知られるオラトリオ「メサイア」、アリア「オンブラ・マイ・フ」が歌われてきたオペラ「セルセ」などを残した。また、管弦楽曲と声楽作品の割合は1対9と、圧倒的に声楽作品が多い。しかし、舟遊びのイベントのために作曲された「水上の音楽」や、「王宮の花火の音楽」は今日でもよく演奏される。
 バッハたちより時代を100年以上さかのぼる、イタリア・バロックの巨匠といえばモンテヴェルディ。オペラ最初期の作品「オルフェオ」は1607年、マントヴァ公の依頼で作曲され謝肉祭の祝祭で初演された。近代オペラの様式を作り上げた傑作。モンテヴェルディはヴェネツィアの聖マルコ大聖堂の楽長を76歳で亡くなるまで30年勤めあげた。
 また、フランス・バロックのリュリやラモー、フランス・バロックを生んだヴェルサイユ宮殿なども取り上げている。
 他に、◎ヴィヴァルディ「四季」名盤聴き比べ◎バロック音楽の演奏の変遷◎バロック時代の楽器たち◎いま注目のバロック音楽の演奏家◎音楽と水の都ヴェネツィア、などです。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

2017年回顧ベスト・コンサート、ベストCD&DVD
 コンサートとCD&DVDの2つに分けて2017年を回顧した。それぞれ異なる評論家ら計20人に5公演、5点をあげてもらっている。公演の数や、発売されるCDも多いため、みなが一致して1位に推すというものは少ない。公演では、ラトル指揮ベルリン・フィル、読売日本交響楽団の「アッシジの聖フランチェスコ」、バイエルン州立歌劇場「タンホイザー」などが複数上げられていた。CD&DVDになるとさらにばらける。プレスラーが演奏するモ-ツァルトのピアノ・ソナタ第13,14番、ディアナ・ダムラウのマイヤーベーア「オペラ・アリア集」、ヤニック・ネゼ=セガンのメンデルスゾーン「交響曲全集」、小山実稚恵「ゴルトベルク変奏曲」などが登場している。


2018年注目の来日演奏家
 オーケストラ・指揮者、ピアニスト、ヴァイオリニスト・チェリスト、弦楽四重奏・室内楽、オペラ・声楽の5つの分野で来年注目の来日アーティストを取り上げた。オーケストラ・指揮者を見ると、今秋、ベルリン・フィルの芸術監督としては“最後”の来日公演を行ったラトルは、2018年9月には新たな手兵ロンドン交響楽団と来日する。ズヴェーデン指揮ニューヨーク・フィル、ヤンソンス指揮バイエルン放送響、ハーディング指揮パリ管、ウェルザー=メスト指揮クリ-ヴランド管、メストはウィーン・フィルでもタクトをとるなど、来年も著名なオーケストラが次々と来日する。

宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 加藤訓子 打楽器奏者
 日本とアメリカを拠点に活動する打楽器奏者、加藤訓子(くにこ)。1、2月、愛知と埼玉においてダンスの平山素子とスティーヴ・ライヒの「ドラミング」で共演する。ライヒはミニマル・ミュージックの創始者。「ドラミング」は、アフリカに行って現地の音楽に刺激を受けて書かれたという。本来は13人で演奏するが、今回は多重録音を使い加藤1人で演奏する。「ライヒの曲は音がどんどん変化していく様子が面白いけれど、ダンスのように動きがあるものが一緒ですと、さらに楽しめます」と話している。


このほか
◎青島広志の「ブルー・アイランド版音楽辞典」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2018年1月20日(土)発売の2018年3月号は「クラシック小品の楽しみ」を特集します

お楽しみに~

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