【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2019年12月号が発売になりました
同時に、Webサイト http://mostly.jp/ も更新。目次、おすすめアーティストなどチラ読み ができるほか、バックナンバーのページでは、デジタル書籍も購入できます。ぜひ、サイトにお立ち寄りください


【モーストリー・クラシック12月号の主な内容】

表紙 1815年のベートーヴェン

 特集 生誕250年 ベートーヴェン 「傑作の森」
      「運命」と「皇帝」 中期1804~1815 3号連続

 今月号はベートーヴェンの中期の特集。交響曲で言えば第4番から第8番まで、ピアノ・ソナタで言えば第23番から第27番まで、「熱情」(第23番)、「テレーゼ」(第24番)、「告別」(第26番)が作曲された時期になる。このほかヴァイオリン協奏曲やピアノ協奏曲第5番「皇帝」、弦楽四重奏曲「ラズモフスキー・セット」、「大公」や「幽霊」などのピアノ三重奏曲、オペラ「フィデリオ」などたくさんの名曲が生まれている。
 それゆえフランスの作家ロマン・ロラン(1866-1944)はこの時期を「傑作の森」と称した。ノーベル文学賞を受賞したロランの長編小説「ジャン・クリストフ」は、音楽家の人生の苦悩と喜び、魂の成長などを描いており、ベートーヴェンがモデルと言われた。日本においても広く読まれ、「読者はベートーヴェンの生涯と創作をいわば人生哲学として理解した」(西原稔・桐朋学園大教授)。ロランは日本人のベートーヴェン受容に大きな影響を与えている。
 中期の傑作の1つが「交響曲第5番『運命』」。1807年に作曲され、翌年初演された。始まりの「ジャジャジャジャーン」はクラシック音楽でもっとも印象的な出だしだろう。もちろん「運命」はベートーヴェン自身が付けたタイトルではない。秘書を務めたアントン・シンドラーが出だしの意味を尋ねたところ、「かくして運命は扉を叩く」と答えた、というエピソードに基づいている。しかし、今ではシンドラーの創作ではないか、とこの逸話に信憑性がないとされ、「運命」を付けずにただ交響曲第5番と表記されることが多くなった。
 第5番は有名曲だけに数え切れないほどの録音がある。音楽評論家の鈴木淳史氏に9人の指揮者のCDの聴き比べをしてもらった。たとえばブーレーズ。「高揚もなく、ひたすらすべてを均質化して響きを再構築していく。それぞれの響きがどのようにして作られているかをじっくりと見せてくれる」。カルロス・クライバーは「とにかくスマートだ。深刻な表情で語られる運命動機とはサヨウナラ、尊大で上から目線で説教されるベートーヴェンももう必要なし」と記す。
 また、音楽評論家の岡本稔氏にはウィーン・フィルとベルリン・フィルのベートーヴェン演奏の違いを論じてもらった。もちろん指揮者によってその演奏は変わるが、ベルリン・フィルについては「一貫しているのは鉄壁ともいえるアンサンブルと広いダイナミックレンジだろう」。ウィーン・フィルは「古き良き時代の響きを今日にとどめているところだろう」という。
 名曲の解説の他に、◎ベートーヴェンその劇的生涯◎ベートーヴェンに消された作曲家たち◎「ウェリントンの勝利」はなぜ書かれ、喝采を博したのか?◎声楽曲にも息づくベートーヴェンの個性、などです。

 特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

 BIGが語る
第31回高松宮殿下記念世界文化賞・音楽部門受賞
アンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン(中)

 第31回高松宮殿下記念世界文化賞の授章式が10月16日、東京・元赤坂の明治記念館で行われた。音楽部門で受賞したヴァイオリニスト、アンネ=ゾフィー・ムターのインタビューの2回目を掲載している。スコア(総譜)を読むことの大切さや音楽における色彩とコントラストの重要性などを語っている。来年生誕250年を迎えるベートーヴェンについて「私にとってベートーヴェンは、音楽がよって立つべきエッセンス、真髄の具現者です」と話している。

 サントリーホール創設者 佐治敬三生誕100年記念展示
 今年はサントリーの社長、会長を務め、サントリーホールを作った佐治敬三氏の生誕100年。これを記念して「夢大きく―創設者・佐治敬三 生誕100年記念展示―」が11月1日(金)から30日(土)まで開催される。サントリーホール大ホールの1、2階の壁面に写真や音楽家からのメッセージなど約60点が展示される。
 ベルリンにカラヤンを訪ね、ホール建設のアドバイスをもらった際の写真や、建築工事中に作曲家、芥川也寸志と現場を訪れた写真、そして1986年10月12日のオープニングでパイプオルガンのラの鍵盤を押す佐治氏など貴重な、懐かしい写真の数々が飾られる。サントリーホール大ホール公演の来場者は開場時間から閉門時間まで鑑賞できるほか、11月8日、11日、27日は一般公開日としてチケットがなくても鑑賞できる。

 このほか
◎「宮本文昭の気軽に話そう」ゲスト テノール 宮里直樹
◎青島広志の「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2019年11月20日(水)発売の2020年1月号は「ベートーヴェン 交響曲第9番『合唱付き』後期」を特集します

お楽しみに~

【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2019年11月号が発売になりました
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【モーストリー・クラシック11月号の主な内容】

表紙 1803年のベートーヴェン

特集 生誕250年 ベートーヴェン「英雄」出現 前期1770~1804 3号連続
 1770年、ドイツ・ボンに生まれたベートーヴェンは来年、生誕250年の記念年を迎える。モーストリー・クラシックは2019/20年シーズンが始まった9月から3カ月連続でベートーヴェンを特集する。創作時期を3期に分けて今月号は前期(1770~1804)。タイトルの「『英雄』出現!」の「英雄」はもちろん交響曲第3番「英雄」のこと。1803年に作曲され、1804年に初演された。ここまでを前期とした。
 ベートーヴェンは、はじめピアニストとして活動しただけあって、32曲が残されたピアノ・ソナタのうち第22番までが、1804年までに作曲されている。タイトルが付いた有名曲をあげると、第8番「悲愴」、第14番「月光」、第17番「テンペスト」、第21番「ワルトシュタイン」が含まれる。「悲愴」は「告別」(第26番)とともにベートーヴェン自身がタイトルを付けた2曲のうちの1つ。音楽評論家の真嶋雄大氏は「ベートーヴェンが表現しようとしたのは、悲壮感そのものではなく、苦悩や絶望などから脱却しようとする強烈な希求である」と指摘する。また「月光」はドイツの音楽評論家で詩人のレルシュタープが「スイスのルツツェルン湖の月夜の波に揺らぐ小舟のよう」と形容したことから名付けられた。この「月光」はベートーヴェンが恋をしたとされる14歳年下の伯爵令嬢、ジュリエッタ・グイチャルディに捧げられた。
 ヴァイオリン・ソナタは10曲のうち第9番までが前期に書かれた。しかも27歳から32歳までの5年間に集中して作曲されている。音楽ジャーナリストの寺西肇氏は「特に音楽史に残る傑作となった第5番《春》や第9番《クロイツェル》をものしたことは、奇跡にも近い。つまり、このジャンルこそが、楽聖の深化ではなく、『天賦の才を持ち併せた証拠』とは、言い過ぎだろうか」と賞賛する。「春」のタイトルの由来は分かっていない。「ロマン派を先取りする甘い楽想と全曲に満ちあふれた陽光、苦悩に満ちたイメージとは全く別の、楽想の魅力を示す佳品」と寺西氏。
 交響曲第3番「英雄」は、ナポレオンについてのエピソードとともに語られることが多い。ベートーヴェンはナポレオンを尊敬していたが、皇帝に即位したというニュースを聞いて激怒、「英雄」と書かれた表紙を破り捨てた、というもの。しかし、これは現在では虚構とされている。原語のイタリア語では「シンフォニア・エロイカ」であり、英語ならヒロイック、「英雄的交響曲」「英雄の交響曲」としたほうが正確である。「ベートーヴェンが示した偉大さとは、神ではない人間の、しかし天に近づこうとした人間の偉大さだった」とドイツ文学の許光俊氏。
 他に、◎ベートーヴェン、その劇的生涯◎「ハイリゲンシュタットの遺書」と真情◎ベートーヴェンが生きた18~19世紀の欧州事情◎ピアノ・ソナタ全集を遺したピアニスト◎ヴァイオリン・ソナタ全集を録音した名手、などです。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

BIGが語る
第31回高松宮殿下記念世界文化賞受賞 アンネ=ゾフィー・ムター ヴァイオリン
 天才少女から巨匠へと見事に才能を開花させ、世界を代表するヴァイオリニストの1人となったアンネ=ゾフィー・ムター。今年の第31回高松宮殿下記念世界文化賞を受賞したことが発表された。ムターは1963年、ドイツ・ラインフェルデン生まれ。13歳のとき、カラヤンに見いだされ、ベルリン・フィルでデビュー。カラヤン唯一のヴァイオリンのソリストとして活躍した。現在は「ヴァイオリンの女王」と称されるほどの存在感を示す。14歳のときに受けたカラヤンの教え方について話している。
 「カラヤンはスコア(総譜)の前に私を座らせ、何日も何日もスコアの説明をしたのです。オーボエが何をしているのか、フルートが何をしているのか。曲の“鳥瞰図”を理解させようとしたのです」

ペトレンコのベルリン・フィル首席指揮者就任披露演奏会
 WMSベルリン、マンスリー・ベルリン・フィルの2つのコーナーで、キリル・ペトレンコのベルリン・フィル首席指揮者就任披露演奏会を取り上げている。コンサートが行われたのは8月23日。最初にベルクの「ルル」組曲が演奏され、メーンはベートーヴェンの交響曲第9番。ペトレンコは「もし人類を代表する音楽があるならばそれは『第九』です。私とベルリン・フィルの新しい時代のスタートになるべきだと考えました」と「第九」を取り上げた理由を話した。
 ペトレンコはかなり速いテンポでオーケストラを引っ張った。しかし、「決して窮屈な演奏というのではない。常に枠からはみ出そうとするベルリン・フィルの積極性とのせめぎ合いにより、この音楽が持つ表現の激烈さが一層際立った」とリポートされている。

このほか
◎青島広志の新連載「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2019年10月19日(土)発売の2019年12月号は「ベートーヴェン 傑作の森 中期」を特集します

お楽しみに~

【発売情報】
本日、モーストリー・クラシック2019年10月号が発売になりました
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【モーストリー・クラシック10月号の主な内容】

表紙 若きブラームスと晩年の姿

特集 ブラームスの魅力

 ブラームスを嫌いな日本人はいないだろう。それは思い切り発散する音楽ではなく、どちらかと言えば暗さを感じる旋律で、長調ではなく短調の作品が多いからだろう。桐朋学園大学教授の西原稔教授は「クラリネット五重奏曲」や「3つの間奏曲」などを例に出し、「少なくとも日本のブラームス愛好者の心を引きつけてやまないのは、このほの暗さにあるのではないだろうか。彼のほの暗さには、人間の弱さと救済への願望が込められており、それが聴く者の琴線にいたく触れるのである」と記す。
 ブラームスは、交響曲は4曲、ピアノ協奏曲は2曲、ヴァイオリン協奏曲は1曲しか作らなかった。しかし、室内楽曲や器楽曲は膨大にあり、声楽曲はさらに多く300曲以上の歌曲や合唱を作曲した。
 ブラームスの慎重な性格は交響曲第1番の創作態度に表れている。着手したのは1854年の21歳のとき。完成したのは21年後。作曲が進まなかったのは当然大先輩、ベートーヴェンの存在ゆえ。屹立する巨匠の交響曲群とどう対峙し、乗り越えていかなければならないかなどについて日々、頭を悩ませた。そのかいはあった。初演は1876年。これを聴いた当時の大指揮者ハンス・フォン・ビューローは「これはベートーヴェンの第10番である」と高く評価した。さらに評論家のエドゥアルト・ハンスリックは「ベートーヴェンの後期の様式に、ここまで肉薄した作曲家はブラームスをおいて他にいないのでは。彼は模倣こそしないが、内面の深い部分から創造された作品は、ベートーヴェンに近接していると感じられる」と賛辞を送った。
 ブラームスには民謡、民族音楽の変奏曲もたくさんある。その興味は日本の音楽にまで及んだ。「日本の旋律」という楽譜集を所有していたことにも明らかである。1887年から90年、第11代大垣藩藩主だった戸田氏共伯爵がオーストリア・ハンガリー兼スイス特命全権大使としてウィーンに赴任していた。夫人の極子(きわこ)は山田流箏曲の名手だった。極子は岩倉具視の娘で、「鹿鳴館の華」と称された女性。実は、ブラームスは極子の弾く「六段の調」を聴いている。その感想や曲の特徴などを「六段」の楽譜に書き込み、極子にわたした。後に、この楽譜は戸田家からウィーン楽友協会に寄贈され保管されている。特集ページには約100年後、「六段の調」を聴くブラームスの姿を描いた守屋多々志の屏風(大垣市守屋多々志美術館所蔵)の写真を掲載している。
 他に、◎交響曲第1~4番◎ピアノ協奏曲第1、2番◎ヴァイオリン協奏曲◎ハンガリー舞曲集◎ブラームスと過去の音楽◎ブラームスの作曲の巧みさ◎ウィーン・フィルとベルリン・フィルのブラームス演奏◎根っからのロマン主義者ブラームス◎ブラームスを得意とする指揮者、ピアニスト、などです。

特集で紹介したDVD、CDのプレゼントもあります

宮本文昭の気軽に話そう ゲスト 森麻季 ソプラノ
 ソプラノの森麻季が9月13日(金)、東京オペラシティコンサートホールでリサイタルを行う。フォーレ、シャルパンティエ、グノー、ビゼーらすべてフランスもののプログラム。「フランス語の微妙で繊細な色合いを出しながら、歌詞として明快に聴かせなくてはならないので本当に難しいですね。私は巻き舌にならないように気をつけています」と話す。リサイタルには「愛と平和の祈りをこめて」というタイトルが付いている。森は東日本大震災の2011年から、思いをこめてシリーズとして開催してきた。

サントリーホール サマーフェスティバルとNHK音楽祭
 毎年恒例の2つの音楽祭を特別ページで取り上げている。サントリーホール サマーフェスティバル2019は8月23日(金)から31日(土)まで開催される現代音楽祭。イギリスの作曲家ジョージ・ベンジャミンのオペラ「リトゥン・オン・スキン」が、大野和士の指揮で日本初演(28、29日)されるのが話題。また、NHK音楽祭2019は10月から11月にかけて開催される。「伝統と革新」をタイトルに、コープマン指揮NHK交響楽団がモーツァルト「レクイエム」などを演奏(10月10日)。ビシュコフ指揮チェコ・フィルは、樫本大進をソリストにチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲などを(10月25日)。ネゼ=セガン指揮フィラデルフィア交響楽団はドヴォルザークの交響曲第9番「新世界から」などを披露する(11月7日)。

このほか
◎青島広志の新連載「押しもしないが押されてばかり」
◎外山雄三の「オーケストラと暮らして60年」
◎小山実稚恵の「ピアノと私」
◎「鍵盤の血脈 井口基成」中丸美繪
など、おもしろい連載、記事が満載です。

次号予告
2019年9月20日(金)発売の2019年11月号は「生誕250年 ベートーヴェン」を特集します

お楽しみに~

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